各種診療

内科

猫伝染性腹膜炎

どんな病気?

猫伝染性腹膜炎(FIP)ウイルスに対する免疫の過剰反応によって起こる病気です。ご自宅にお迎えしたばかりの若い猫ちゃんや、たくさんの猫ちゃんを飼育している環境、あるいは感染・外傷などの大きなストレスにさらされた後などに見受けられることが多く、また、高齢猫ちゃんでの発症もまれに認められます。

どんな症状?

ご自宅では元気食欲がない、熱っぽいなどの症状が認められ、院内の検査では胸・腹水の貯留、眼や腎臓の障害、重度の炎症などが明らかになることがあります。

治療法は?

有効な治療方法はこれまでありませんでした。しかし、現在では高額ではありますが抗ウイルス薬による治療で高い効果が認められています。

予防は?

特定の予防方法はありませんが、大きなストレスを避けた生活を送ることが大切です。それぞれの猫ちゃんに対して十分なテリトリー・トイレを設けましょう。一般に広く存在する弱毒猫コロナウイルス(※)が猫の体内でFIPウイルスに変異し、発症すると考えられています。従来からは感染猫からの直接の感染・発症はしないと考えられていますが、同一環境での複数頭発症も見受けられるため、感染猫ちゃんがいるお宅では念のために感染に注意して対策するに越したことはありません。

※ヒトのコロナウイルスとは別のものです。

消化器科/内視鏡科

誤飲・誤食

どんな事故?

消化できないものや中毒を起こすものを間違えて食べてしまうことで起こります。

どんな症状?

誤食したものによってさまざまですが、食べた直後には無症状で、時間がたってから症状(嘔吐、消化管閉塞、中毒)を起こすことが多いです。

治療法は?

症状に繋がる可能性のあるものは、可能ならば吐いてしまうのが一番安全です。吐き気を催すお薬を投与することで催吐を行います。それでも目的のものが出てこない場合には、状況によって一旦様子を見る、あるいは全身麻酔下で の内視鏡処置や開腹術に進むなどの判断を行います。

予防は?

おいしい食べ物の匂いのついたビニール袋や使い終わったマスクなどは、わんちゃんねこちゃんの届かないところに 処分しましょう。観葉植物やいただきものの花束などにも注意が必要です。脱いだ後の靴下、プレゼントのリボンからほつれてきた細長い繊維、床に敷いたウレタンマットの端、テーブルの上に置きっぱなしの小袋入りのチョコなど、おうちの子が何に興味を引かれそうか、日頃から注意して観察しましょう。

泌尿器科

猫の尿道閉塞

どんな病気?

炎症産物や結石か尿道に詰まることて、尿か出にくくなったり出なくなってしまう状態を尿道閉塞といいます。雄猫は雌猫より尿道が細いためより詰まりやすいと言われています。全く尿が出ないと急性腎不全となり、1~2日で死に至ることもあります。

どんな症状?

排尿にかかる時間が長い、頻繁にトイレに行く、少量しか尿が出ない、排尿時に痛みで鳴く、尿が赤い、元気食欲がない、嘔吐や下痢をする、など。

治療法は?

尿道にカテーテルを入れ詰まりを取り、貯まった尿を取り除きます。急性腎不全を併発している場合は、入院下で点滴を行い腎臓を保護します。閉塞が解除できない場合や再発を繰り返す場合には尿道を短くする手術を行うこともあります。

予防は?

尿の回数や色に異常がないかよく観察し、初期症状の段階に気がついて速やかに病院に連れて行くことが重要です。特に、水量が減る秋冬は尿道閉塞の発生が多くなりますので注意しましょう。飲水量を増やすために、フードに水を加えたり、ウエットフードをとりいれたり、水飲み場を増やすなどの工夫をしてみましょう。また、トイレを我慢させないように、トイレを 猫ちゃんの頭数+1個 設置し、常に清潔に保つことも重要です。

循環器科

僧帽弁閉鎖不全症

どんな病気?

心臓内の弁が十分に閉まらなくなり、血液の逆流が起こります。全身に血液を送る心臓の機能が低下するため疲れやすくなったり、また逆流によって咳や肺水腫を起こすことがあります。

どんな症状?

徐々に進行している場合には、寝ている時間が多くなる、散歩に行ってもすぐに帰りたがる、咳がでるなどの症状が認められることがあります。また、急な悪化を起こした場合には、元気食欲がない、横になって眠れない、呼吸が荒いなどの症状が起こり、速やかな受診が推奨されます。重度の場合には、ご自宅で一緒に生活していても心臓の雑音に気づく場合もあります。

治療法は?

急激な肺水腫の場合には、酸素室での管理、利尿、血管拡張、強心などの集中治療を行います。安定状態の場合には、強心剤を始めとする内服薬での管理を行います。

予防は?

ご自宅での症状が認められる場合には一度当院までご相談ください。また、診察時に心雑音が聴取された場合には、心臓の検査をおすすめしております。急で重度の症状を予防するために、定期的に検査を行い、必要に応じた投薬内容への随時変更を行っております。ご自宅では、安静時の呼吸数の測定をおすすめしております。呼吸数を図るコツについては、当院スタッフまでお声掛けください。

皮膚科/耳科

外耳炎

どんな病気?

耳のひだから鼓膜までの耳道で、炎症や感染が起こります。

どんな症状?

耳を触ったり、足で掻く、床に擦り付けるなどの症状が見られることがあります。また、普段よりも耳が匂ったり、ご家族が耳を触ろうとすると嫌がることもあります。

治療法は?

耳道を洗浄処置したり、点耳薬や内服薬で炎症・感染を治めます。一回の処置で改善するような軽度のものから、頻回の処置や投薬が必要な中~重度のものまで様々です。外耳炎の治療と並行して、外耳炎を起こしやすい素因(アレルギー・ホルモン疾患など)に対しても必要に応じて診療を行います。重度のものでは中・内耳炎の可能性もあるため、慎重に治療する必要があります。

予防は?

症状がある場合には、お気軽にご相談ください。また、ワクチン接種など耳の診察以外で受診された際にも健康チェックの一環としてお耳を拝見することがあります。健康な耳に対するご自宅での耳そうじは基本的には不要です。もしそうじしたくなるような様子の耳であれば、一度獣医師までご相談ください。耳道に生えている毛については、抜く場合もあれば抜かない場合もあります。お耳の様子を 拝見して、ご家族とご相談の上で判断します。外耳炎は重症化しないよううまくコントロールすることが大切です。軽症のうちに治療管理しましょう。

脳神経科

特発性前庭障害

どんな病気?

水平バランスを保つ器官に障害が起こることで起こります。

どんな症状?

高齢のわんちゃんで急に嘔吐して、立てなくなる、目が回るなどの症状がでることが多いです。

治療法は?

1~2週間で自然に症状が治まるまでの間、体を支える治療を行います(お食事の介助、脱水の予防など)。また、内中耳炎や中枢神経障害との判別を行うことも大切です。症状はある程度残ることも完全に消失することもありますが、生活に大きな支障を生じないことが大半です。

予防は?

特定の予防方法はありませんが、日頃から十分な水分をとるなどのケアが望ましいです。また、急にけいれんや発作に似た症状を起こすためご家族が慌ててしまいがちですので、事前にどのような症状なのか知っておくこともとても大切です。